常楽だより

2024/01/13
大乗と小乗
 乗とは人を乗せて悟りに到らしめる教法を乗り物にたとえて言う。大乗とは大きな優れた乗り物の意で、小乗とは小さな乗り物の意。すなわち他の人々に利益を施す利他行を主として、多くの衆生を救う教えが大乗であり、自己を利する自利を主として個人の解脱を目的とする教えが小乗である。菩薩が自己の解脱のみならず利他行にも努めるため、大乗を菩薩乗ともいう。
天台大師は阿含部の諸経を小乗とし、華厳・方等・般若・法華を大乗とみる。日蓮聖人は天台大師の説を踏襲するが、法華経に対すれば法華以前の諸経はみな小乗であるとみ、さらに真の大乗は法華経の本門に限ることを説く。
 本門とは、法華経二十八品中、従地涌出品第十五から普賢菩薩勧発品第二十八までをいう。前半十四品は迹門という。

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